健康寿命ヤバい日本人の暴露ネタ!平均寿命のウソと無知は危険
加齢は悪いことばかりではありません。
老化が健康の不具合とつながりやすいことも現実です。
その中には、必ずしも老化を防げないことがある一方で、多くの健康の不具合を予防、進行を抑止できるのも判明しています。
■人生終焉の約10年を、不健康で生きる日本人
日本人は、平均で男性なら81歳、女性なら86歳まで生存するという調査があります。
しかし、大半の日本人にとって大切なのは、「五体満足と頭脳明晰で元気に生きる」ということです。
平均寿命とは別に、健康寿命が話題になっています。
これは「元気に自立した生活を過ごせる期間」を意味しています。
この健康寿命を平均寿命と比べてみると、老化の課題が鮮明になってきます。
実は日本人の健康寿命は、男性だと約72歳、女性では約75歳と報告されています。
日本人が終焉に近い残りの10年間ほどを、支援や介護を受けて生きているということを意味しています。
この10年もの間、できることなら人の助けが無くても健康に暮らしたいと思う方が多いはずです。
では最後の10年を元気ハツラツに生きるために、どんな事ができるのでしょうか。
「考えなければならないこと」を5つのカテゴリに整頓してくれたのが「5つのM」という考え方です。
この考え方は、2017年にカナダおよび米国の老年医学会から初めて提唱されました。
■「5つのM」は、アメリカの高齢者診療の基本
5つのMは、現在では全米の老年医学専門医に浸透しています。
既に高齢者を診療する基本指針とされています。
日本ではまだ浸透するには至っていませんが、この5つのMは高齢者の診療に活用するだけではなく、若い世代から上手に年齡を重ねていくための指針にもつながると考えられています。
この5つのMに沿って、老化で何が起こるのか、そしてそれを防ぐために、最高の老後を過ごすために何ができるのかを明確にすると考えてほしいです。
■健康老後のための「5つのM」とは?
1 からだ:身体機能
Mobilityは「からだ」に焦点を当ててアプローチします。
身体機能を考慮して、どのぐらい可動できるのかを指します。
若年層のころは一切の支援や介助なくても自由に動きまわることのできた方であっても、加齢によって杖や歩行器が必要になることがあります。
2 心:認知と精神
Mindは、「心」を意味すると共に、認知機能や精神状態を指します。
認知症やうつ病は、高齢者でよく問題になる病気です。
脳や心も元気でないと、体の具合が悪くなり、人の助けが必要になっていきます。
このMindでは、「こころ」を軸に考えていきます。
3 予防 ――多様な病気
Multicomplexityでは、「よぼう」の視点がとても大切になります。
これは多様な疾患を抱えた状態を指しています。
生活習慣病、がん、感染症、心臓の病気など、さまざまな病気のリスクが増えていきます。
これらは、工夫をすれば未然に防ぐことのできる病気もたくさんあります。
このような多様な病気を防ぐためにできること、また多様な病気との付き合い方について考えていくのが、このMulticomplexityの軸です。
4 くすり
Medicationは「くすり」のことです。
高齢になると、たくさんの薬を飲むようになります。
1日に服用する薬の数が非常に多い状態を「ポリファーマシー」と呼びます。
薬や治療する病気の性格上、どうしても長い間飲まなければならない薬、飲んだ方が良い薬があることに間違いはありません。
一方で、やめられる薬、やめた方がいい薬もあるにもかかわらず、それに医師も患者さん本人も気がつかずに続けられてしまっているケースが多いです。
こうしてポリファーマシーが蔓延してしまうのです。
このMedicationの軸では、そういった「くすり」の問題を明らかにし、どのような工夫ができるかを考えます。
5 いきがい
Matters Most to Meは、「人生にとって何が最も大切か」という視点です。
人は健康上のゴールがあるはずです。
人によっては、寝たきりになってでも長生きすることが大切と考える一方で、人に依存しない生き方こそが大切だと考える人もいます。
あるいは、登山が好きな人にとっては、山登りのない人生など考えられないかもしれません。このように、個々の「いきがい」、最も大切なことは何かに着目することも、大切なポイントになります。
上手に歳を重ねるための方法論は、このように5つの視点で整理することができます。5つのMは、「からだ」「こころ」「よぼう」「くすり」「いきがい」とまとめることもできます。
確かに単なる寿命ではなく、健康寿命に気を配るのは大切です。
今の時だからこそ、健康に意識を向けなくてはと思う今日この頃です。
いきがい、精神の持ち方、コロナ禍を悲しむだけではなく、その閉塞感中でも日々勉強している高齢者がいて、その姿に刺激を受けます。
健康でなくなってからの寿命が長い日本の高齢者は、医療に無理やり生かされている側面があるのは問題です。
一日10錠20錠の投薬は当たり前、食事が取れなければすぐに胃ろうや鼻腔経管というのは違うと思います。
国民健康保険のマイナスの側面でもあります。
利用者はほとんど負担がないので、どんな薬なのか不明確でも医師から言われるとずっと飲み続けます。
医師や薬剤師からすると、薬を減らすことは収入減に繋がってしまうので、薬を増やすインセンティブがあるわけです。
「上手に歳を取りたい」というのは、個人的に日々考えているテーマなので、「5つのM」は参考になりました。
人生100年時代に重要なのは、寿命よりは「健康寿命」ということです。
この記事へのコメントはこちら