TikTok「バイトダンス」ネット広告で中国で大成功の理由
中国の2021年上半期におけるネット広告市場シェアは、バイトダンスが45.7%を占める結果となった。
ショートムービー投稿アプリ「抖音(ドウイン)」とその国際版「TikTok」の人気により、世界的にも同社の存在感は増している。
抖音やTikTokの強さの源泉は、莫大な利用者数にあるが、ネット広告の世界でも従来の検索広告やバナー広告を過去のものにするほどの革新性を持っている。
抖音の広告の多くは、素人がスマホで撮影したようなクオリティーで、広告のプロフェッショナルほど侮ってしまいがちだ。
だが、この一見素人クオリティーの広告が業界の常識を覆し続けている。
抖音の広告の仕組みと業界にもたらした3つの変化が話題です。
■「ショートムービー」が中国のネット広告収入トップ
中国における2021年上半期のメディア別ネット広告収入は、ショートムービーが圧倒的な首位になった
中国のネット広告の主戦場が完全にシフトした。
「2021ネット広告市場半年大報告」(QuestMobile)によると、メディア別の広告収入ランキングは、ショートムービー、ニュースメディア、SNS、OTV(動画ストリーミング+ライブ配信=Online TV)、検索広告の順となった。
中国でも5年前は、グーグルと同じ業態の百度(バイドゥ)の検索広告が最強だった。
BAT(百度、アリババ、テンセント)というテックジャイアントの表現が使われた。
しかし、検索広告市場の縮小とともに大きく変化して、HAT(ファーウェイ、アリババ、テンセント)やATM(アリババ、テンセント、美団(メイトワン)または小米(シャオミ))などの言い回しが普及しています。
ネット広告市場で百度の地位が陥落する代わりに、字節跳動(バイトダンス)が急成長しました。
2012年に創業されたバイトダンスは、AIを使ったリ技術に、ニュースキュレーションメディア「今日頭条」、ショートムービーメディア「抖音(ドウイン)」で大躍進した。
抖音の国際版「TikTok」でも海外進出して成功した。
これらのプロダクトは、利用者からも圧倒的に支持をされているが、圧倒的な広告収益力を持っている。
プラットフォーム別のネット広告収入シェアのランキングでは、抖音と今日頭条が1位、2位で、2つのシェアを合計すると45.7%にもなる。バイトダンス単独で中国のネット広告収入のほぼ半分を稼いでいるとは驚きます。
広告が変化変容しているとも考えられます。
AIの検索システムでターゲットが特定できれば、対象者に最適化した実演販売ができるのと同じです。
実演販売の成約率は高いのは周知の事実です。
ターゲティング広告として有効だと考えられます。
マス広告やネット広告とは異なる要素を内包していて、熱狂しやすいTikTokがターゲティングメディアとして販売力を発揮しているのでしょう。
しかも、アメリカでもTikTokの広告収入が躍進しています。
おそらく、米国でのTikTokの広告収益が中国マーケットのシェア率に追随するのはそう時間がかからないでしょう。
米国でのTikTok顧客獲得コストは、Facebookおよびインスタグラムより圧倒的に低く、数年以内に大多数の大手企業がTikTok広告に多大なる資金を費やすと考えられる。
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