サイゼリヤ営業赤字は上場後初!コロナ禍でも財務管理が凄い
ファミリーレストランのサイゼリヤは今年8月期の決算で、上場以来初めて営業損益が赤字となりました。
サイゼリヤが発表した2019年9月から2020年8月の決算によりますと、売上高が前の年の同じ時期より、およそ2割減の1268億円でした。
営業損益はおよそ38億円の赤字で、営業赤字は上場以来初めてです。
新型コロナの影響による時短営業や、外出自粛の要請が原因だとしています。
それでも2割減に留まったのはむしろ凄いと思います。
この減少幅に抑えたのは立派です。
このコロナ禍だと、低価格帯の飲食店に来店が遠のくのは仕方がないです。
店舗の清潔感、低価格でも妥協しないところを明確にして運営できるほど体力あるのは、大きなチェーン店の強みだと思います。
飲食店の中には、味にこだわっているけれど、清潔感に欠ける飲食店もある。
そういうところには厳しい時代なのだろう。
今回の決算ニュースを見るまでもなく、飲食業や小売業が打撃を受け、サイゼリヤも赤字転落にもかかわらず、コロナ禍なのに配当を昨年度(2019年度)と同額に据え置きにしたところだと思います。
安定的な財務体質が素晴らしいです。
サイゼリヤの場合、自己資本比率が7割近くあります。
これまでの利益の貯えである利益剰余金も2020年8月時点で674億円のということで、財務的には極めて盤石です。
キャッシュフロー計算書も2019年より減ったとはいえプラスの状況ですので一生懸命やっていると思います。
期末に1株あたり18円配当が実施されるとして、発行済み株式の52百万株に配当を実施しても10億円程度でインパクトは軽微です。
サイゼリアの単一業態でブームとは別として順調に売り上げを伸ばしてきたサイゼリアの経営体質は珍しいです。
単一業態は店舗が増え過ぎて下降する企業が多いのに生き残っていることが凄過ぎる。
いつも安すぎて心配になるくらいの値段だと思っていました。
2割減にとどまったのに赤字ということはいかに利幅の少ない商売ということでしょう。
ただし、問題はこれからが本番でしょう。
飲食業界がいつまで耐えられるのか気になります。
まだこの先いくつ感染ピークの山がくるんだろう。
外食はストレスの解消にもなってたからこんな話しを聞くと切ない。
売上が2割しか落ちていないのは2020年の4月~8月の売上を前年比で出した数字ではありません。
2019年の9月から2020年8月までの1年間で38億の赤字ということは、2020年の4月~8月の赤字は巨額なのは確かです。
コロナの影響が出ていない7か月間を単純に2019年の年間営業利益を7/12ヵ月で計算すると56億円の黒字。
2020年の4月からの5ヵ月間だけで見ると104億の赤字という計算になる。
2021年も同じように続けて客足が鈍って値上げが起きれば、悪循環に陥る不安がつきまといます。
テイクアウトの強化と、その告知を強化すれば、まだ売上はとれそうな気がします。
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