コロナ終息後にドラッグストアが安売り終わる理由
コロナ後に急速に再編が進みそうなのが、ドラッグストア業界だ。「ドラッグストアって、今はマスクとトイレットペーパーで潤っているんじゃない」と思われる方も多いだろう。
事実、コロナの影響でマスクを買い求めるお客や外出自粛で食品などを買うといったこともあり「今まで(ドラッグストアに)来ていなかった消費者が結構、来ている」(ウエルシアホールディングスの池野隆光会長)という。
しかし、その一方で、実は大手の上位集中化が進み始めており、「生き残り」をかけた再編の火種はくすぶっている。
今年10月、マツモトキヨシHDがココカラファインと経営統合して業界トップに躍り出る。これを追う格好でツルハHDやウエルシアHD、さらにコスモス薬品が大量出店やM&A(企業の合併・買収)合戦を繰り広げている。
大手の中でもコスモス薬品以外は中堅、中小のドラッグストアチェーンを傘下に入れ規模を膨らませており、コロナ後はこうした動きが加速するのは確かだろう。
ドラッグストアの業界規模は7兆2744億円(18年度)だから大手は当面、マツキヨHD、ココカラファインの売上高1兆円を目指していく。
仮に市場は上位3社に集約されるとして、1社あたりの売上高は2兆5000億円程度、少なくても2兆円の規模が最終目標になるだろう。
現在、大手のウエルシアHDが同8682億円、ツルハHDが8200億円(2020年5月期見通し)、だから、この2社が組めば圧倒的なトップに躍り出て、マツキヨHD、ココカラ連合を圧倒的に上回ることができるし、中堅、中小のドラッグストアは、さらに大手の傘下入りを決断せざるを得ない、いわば業界再編の最終局面にあるといっていい。
薬剤師はいまだに方々で人気高いです。
新卒薬剤師に600万円出す会社も少なくないです。
薬学部が6年生となり、卒業するのに私立だと200万円×6年=1,200万円ほどの学費が必要になります。
学生の就職活動では志望が病院や調剤薬局が多かったが、最近ではドラッグストアが上位になるのもわかります。
人件費、採用経費だけでも莫大です。
安売りだけで事業が成り立つとは限らないです。
コロナ後に再編が加速し、上位3社に集約されたら、今でこそ「価格が安い」というイメージがあるドラッグストアの価格帯も変わりそうだ。
これについては、総合スーパー(GMS)の前例がある。GMSはかつて“安売り王”がごろごろいた。ダイエーしかり、ジャスコ(現イオン)しかり、西友などもそうだった。
しかし、大規模小売店舗法という出店を規制する法律が敷かれ、競争がなくなり規模が拡大した途端、価格硬直性が生まれた。
「スーパーは安くない」といわれ、ユニクロの台頭やディスカウント店の台頭を許した。本部が巨大化し規模の利益を商品の質や価格に生かせなかったからだ。
今は価格競争バリバリのドラッグストア業界もコロナ後に集約が進み、競争がなくなれば、巨大化した本部を維持するためのコストが大きくなり、「低価格路線」を維持することはできなくなるだろう。
しかし、寡占が進んで価格競争がなくなれば、独禁法違反の疑いで公取が動き出します。
携帯大手3社についても官房長官自ら切り込んだし、そう簡単に高値維持はできません。
また、最大の敵であるAmazonや楽天市場などのネット通販の存在も対抗馬になるのを覚えておきましょう。
この記事へのコメントはこちら