高速バスの運転手不足、地域格差拡大への警鐘

   2025/09/29

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近年、高速バスの運転手不足が深刻化しており、路線の廃止や減便が相次いでいる。2022年には、全国で10路線以上が廃止された。

■運転手不足の原因

運転手不足の原因は、大きく分けて以下の3つが挙げられる。

・高齢化による退職
バス業界は、他の業界に比べて高齢化が進んでいる。2022年時点で、バス運転手の平均年齢は56.8歳であり、そのうち60歳以上の運転手は28.3%にのぼる。今後も高齢化が進むと、多くの運転手が退職していくことが予想される。

・若年層の就職志望者の減少
バス運転手は、長時間労働や低賃金などの労働環境が課題となっており、若年層の就職志望者が減少している。また、近年は、IT業界やサービス業など、他の業界の求人が拡大していることも、若年層の就職志望者の減少につながっている。

・待遇面の改善が遅れている
バス運転手の待遇は、他の業界に比べて低くなっている。特に、賃金や休暇などの労働条件の改善が遅れていることが、若年層の就職志望者の減少や、高齢者運転手の退職につながっている。

■運転手不足による影響

運転手不足による影響は、利用者にとって大きな不便をもたらす。特に、車を持たない高齢者や障がい者にとっては、重要な交通手段を失うことにつながる。また、路線の廃止は、地域経済にも悪影響を及ぼす可能性がある。

具体的な影響としては、以下のようなものが挙げられる。

・利用者の利便性低下
運転手不足により、運行本数が減ったり、運行時間が遅れたりすることで、利用者の利便性が低下する。特に、車を持たない高齢者や障がい者にとっては、大きな影響となる。

・地域経済への影響
高速バスは、地域の観光やビジネスを支える重要な交通手段となっている。運転手不足により、路線が廃止されると、地域経済への影響も懸念される。

■運転手不足の解消に向けた取り組み

運転手不足の解消に向け、国や自治体、バス事業者などが連携して取り組む必要がある。具体的には、以下の対策が考えられる。

・高齢者運転手の再雇用や、定年延長の促進
高齢者運転手の再雇用や、定年延長の促進により、現役運転手の人数を増やすことが考えられる。

・若年層の就職志望者を増やすための、就職支援や待遇改善
バス運転手の魅力をアピールする就職支援や、賃金や休暇などの労働条件の改善により、若年層の就職志望者を増やすことが考えられる。

・バス運転手の免許取得を支援する制度の拡充
バス運転手の免許取得を支援する制度の拡充により、バス運転手を目指す人材を増やすことが考えられる。

これらの対策を講じることで、運転手不足の解消と、高速バスの持続可能な運行が実現されることが期待される。

■まとめ

高速バスの運転手不足は、深刻な社会問題となっている。運転手不足を解消するためには、国や自治体、バス事業者などが連携して、さまざまな取り組みを実施していく必要がある。

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