ロッテリア売却と閉店続出の理由と背景!ゼンショーHD以前の買収模様
「ロッテリア」は、日本で創業され、ハンバーガーチェーンとして展開してきた企業です。
しかし、2000年代以降、事業を拡大する一方で、多くの課題が浮き彫りになってきました。
まず、競合他社との差別化が不十分だったことが挙げられます。
日本国内では、マクドナルドやモスバーガーなどのグローバルブランドが既に存在しており、新規参入企業も増えてきたため、競争が激化しました。
その中で、「ロッテリア」は、ハンバーガーの味や価格などで差別化を図ることができず、他社との差があまり感じられないという課題がありました。
また、フランチャイズ加盟店の増加に伴い、店舗の品質管理やサービスの均一性が確保できなくなっていたことも問題となりました。
加盟店の中には、経営者の経験不足や資金難などがあり、店舗運営がうまくいかない場合があったため、ブランド価値の低下に繋がっていました。
こうした課題に加え、グループの中核企業である「ロッテ」が、他の事業に注力する中で、「ロッテリア」に対する投資やサポートが不足していたこともありました。
その結果、「ロッテリア」は、業績低迷に陥り、2017年には売却されることになりました。
売却の理由は、グループの経営資源を集中するためでした。
グループ全体の戦略に合致する事業に注力することで、より効率的な経営が実現できると判断されたためです。
そして、2018年に、アジア最大の投資ファンドであるブラックストーン・グループが、「ロッテリア」を買収しました。
ブラックストーンは、ロッテリアの買収に約1,200億円を投資し、同社の株式の過半数を取得しました。
この買収により、ロッテリアはブラックストーンの傘下に入り、グローバルなビジネスの拡大が期待されています。
現在の「ロッテリア」は、ブラックストーン・グループの子会社として運営されており、新たな経営陣や戦略によって再び成長を目指しています。
ところが、ロッテリアは2019年に、食品偽装問題に巻き込まれました。
同社は、生産期限を過ぎた肉を使用していたと報道され、信頼性の問題が浮上しました。
この問題が報道されたことで、ロッテリアのブランドイメージにダメージを与え、多くの消費者が同社の製品に対して不信感を抱くようになりました。
その後、ロッテリアは新たな戦略の一環として、直営店を増やす方針を打ち出しました。
しかし、これには多大な費用がかかり、同社は資金調達に苦労しました。
また、日本国内の飲食市場が飽和状態になっており、新規店舗の出店には限界がありました。
さらに、コロナ禍による外食需要の低迷も、ロッテリアの業績に影響を与えました。
同社は、テイクアウトやデリバリーサービスの強化に取り組んでいましたが、それでも業績は回復せず、経営状況が悪化しました。
これらの要因が重なり、ロッテリアは2021年に売却されることとなりました。
売却先は、アジアの投資会社であるアジア・パシフィック・インベストメント(API)となりました。
APIは、ロッテリアのブランド価値を高く評価し、同社のグローバル展開を進めることを目指しています。
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