オウンドメディア閉鎖続出の原因
企業のマーケティング手法として注目を集めた「オウンドメディア」が、今年に入り相次いで閉鎖している。
多くのファンを抱えるサイトだけに、突然の幕切れに驚きの声が少なくない。
19年4月以降、「みんなのごはん」(13年2月~、ぐるなび運営)、「フミナーズ」(15年3月~、ねむログ)、「カンパネラ」(14年7月~、アサヒビールと日経BP)、「Rettyグルメニュース」(17年2月~、Retty)など、閉鎖や更新停止の発表が続いている。
サイトの閉鎖が相次ぐ背景に、グーグルが検索結果の表示順位を決めるアルゴリズムを変更したことが大きいとみる。
グーグルのアップデートがあり、YMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれる健康、医療、お金、法律などユーザーの生活に関わるコンテンツの順位が大きく変動した。
低品質だと判断されたコンテンツは順位を落としています。
低品質だと判断されないよう、専門家の監修や公的機関のデータを使用した精度の高いコンテンツを提供していくとなると、工数もコストもかかるため、YMYL関連のオウンドメディアを運営できる企業は少なるでしょう。
広告よりも安価で露出できるという目的でオウンドメディアを運営している場合、コストが積み重なって閉鎖せざるを得なくなるのかもしれません。
また、競合が増えたことで、オリジナリティが失ってきたことも、オウンドメディアの閉鎖が増えている原因の一つかもしれません。
成功するオウンドメディアでは、まず『短期的な成果で考えない』『目的やゴールをしっかり持っている』『戦略に合わせたコンテンツ企画をしている』ということが挙げられます。
オウンドか否かにかかわらず、質の高いコンテンツをコンスタントに出し続けていくことには相当の手間もコストもかかります。
デジタルメディアを運営している者の実感です。
googleだけに関わらず、facebookもユーザーのコミュニケーションを重視する方針になっていて、オウンドメディアには厳しい状況です。
さらにオウンドには「メディア」としての完成度が高まれば高まるほど、その企業の特定の商品からは離れていき、CVが取りにくくなる側面もあるように思います。
オウンドにリソースを提供できる体力と、オウンドに短期的な成果を求めない余裕がある企業でないと難しいと思います。
オウンドメディアは、そもそも参入障壁が低いように見えていました。
その結果として、競争激化になるのは仕方がないです。
しかし、人間の考え方として、何かを知りたいとか暇つぶししたいという読み物ニーズと、購買したいというニーズは、マインドセットが違い、読み物記事からコンバージョンさせる購買行動につなげるのは、難しいのが現実です。
右往左往するしているよりも、広告を使う方がROIが良いケースも多く、どうしてオウンドメディアやっているのか分からなくなる場合もあるのでしょう。
PVを追求しても、コンテンツづくり自体が商売である一般のメディアには勝てません。
そして企業イメージもあるので、自由度でも負ける。だからPV以外の指標を持たないといけない。
この記事へのコメントはこちら