すかいらーく大量閉店の理由!売上減少と不採算店のヤバい背景
「すかいらーく」がどうして100店も大量閉店を泣く泣く断行するほど追い込まれたのでしょうか。
この件に関して、決算書関連資料、月次報告から読み解いていこう。
すかいらーくの店舗数は、2019年12月には3258店ありました。
しかし、2021年12月には3098店ほど減った。
コロナ禍で160店ほどが閉店していた。22年6月、さらに100店の追加閉店が発表されました。
コロナの影響で260店ほどが閉店することになる。
これは2019年の店舗数の約8%になり、相当の衝撃です。
それではブランドごとに店舗数の動向を検証すると、業態を見いだせます。
すかいらーくグループでは、コロナ禍において最も多く閉店していているのはどこでしょうか。減った店舗数は全部で189店。
主力業態に関して、一番減ったのはジョナサン。
2019年と比較すると87店も減少したことになっていて、約7割の規模に縮小したことを意味する。
その次には、ステーキガストが30店減、ガストが25店減、夢庵が15店減となっている。
これをみるとガストは想定よりも店舗数が減っていない。
コロナ禍で顧客が激減したのを埋め合わせる努力は行っています。
から揚げ専門店「から好し」の鶏のから揚げメニューを組み込んで、テイクアウトやデリバリーの需要に対応しました。
しかし、全国のガストをから好し併設店の改革を行っているとしても店舗減少を避けられないほど苦境です。
閉店ラッシュに見舞われているジョナサンとガストの共通項は、これといって売りになる看板メニューがない。
看板メニューをあえて挙げると、ガストは「チーズINハンバーグ」、ジョナサンは「タンドリーチキン&メキシカンピラフ」「和風てりたまバーグ」になりそうです。
ところが、これらも値上げしているので満足感が落ち込んでいるのが目立ってしまった。
ちょい飲みメニューが充実してくると、飲み目的の集客が強まってきました。
ガストはグラスワイン219円、レモンサワー、ハイボール、グラスビールが329円と安い。ジョナサンもグラスワイン220円、レモンサワーなどのサワーやハイボールが329円。
しかし、コロナ禍や緊急事態宣言などによって外食して飲酒を自粛していたので、来店客が大幅に減ってしまった。
モーニングメニューの朝食でも、出勤やシニア層が外食しなくなってきて、売上に貢献しなくなりました。
テレワークの自宅労働が多くなり、平日ランチやママ友の集まりでファミレスを利用する機会も減っている。
競合する回転寿司は寿司だけでなく、肉、ラーメン、うどん、スイーツなどメニューが豊富です。
食べ放題の焼肉でも、海鮮、サラダ、ビビンバや冷麺、スイーツまでそろっている。
回転寿司や焼肉の後に、ファミレスにむかってお茶やデザートという必要も無くなってきて、すかいらーくのファミレスはさらに厳しい経営なのが浮き彫りになっている。
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