日本の電力供給がピンチ!脱炭素、液化天然ガス(LNG)と火力発電所の困難な裏事情
最近の冬の電力需給は過去10年で最も厳しいとの見通しです。
昔の日本では電気は安定供給していましたが、近年は厳しい状況です。
どうしていま電力が逼迫しているのか、その背景には世界が目指す「脱炭素」への転換が影響しているようです。
こうした中、今冬の逼迫に備えて、政府は休止している火力発電所の再稼働を促す対策を行っている。
例えば、老朽化により長期計画停止をしていた姉崎火力発電所5号機は、1月から2月に期間限定で運転を再開し、修繕しながら、再稼働に備えています。
大手電力会社によると、古い発電所は発電効率も落ちるが、安定供給を守るために稼働しなければいけない状況に陥る可能性も高いです。
一方で、火力発電に対する欧州の目は厳しい。
気候変動問題を議論する国連の会議「COP26」では、化石燃料に対する批判がさらに強まった。
この背景には、火力発電所や発電の燃料となる石炭・石油やLNG(液化天然ガス)の調達に対する投資が停滞しています。
石炭は温室効果ガスの排出量が多く、環境への負荷が大きい。
そのため、温室効果ガスの排出量が少ない天然ガス発電への転換が進んでいる。
さらに、火力発電に使用する燃料価格が高騰しているのも追い打ちをかけています。
温室効果ガスの排出量が少ないLNGを、中国が「爆買い」しているのも問題です。
世界的に天然ガスの価格が高騰しています。
日本を含めたアジア地域で液化天然ガス(LNG)の価格が高騰しているのは中国の影響が大きい。
北京冬季五輪が「グリーンオリンピック」を掲げています。
そこで、液化天然ガス(LNG)の需要が急拡大していて、天然ガス価格が高騰してしまう要因の一つでしょう。
もし中国で寒波の被害に見舞われるようなことになるなら、LNG価格が急激に高騰する恐れもある。
日本の火力発電は、現在のところ燃料として輸入LNGを利用しています。
LNGを仕入れ価格が高騰してしまうと、日本の家庭の電気料金が瞬く間に値上がりしてしまう恐れがあります。
さらに、ヨーロッパではLNGが不足し、電力価格が暴騰しています。
日本は2021年1月、LNGの入手困難が原因で電力需給がともて危険水域になりました。
そのときの対策不足を教訓にして、政府はなるべく早くから在庫確保に動いたと説明しています。
しかし、発電にかかせない燃料の不足・価格高騰は今後も続き、この冬の「10年に一度の厳しさ」は、来冬も、その先も起こる可能性がある。
脱炭素にむけて、国連主導で世界各国が動いています。
脱炭素は一部の利権をもった人とビジネスとして投資した人の金儲けだという声もあります。
電力の安定供給が不安ですし、停電の多発によって経済活動の停滞につながってしまうリスクもある。
日本は安定して低価格の電力供給と脱炭素を成し遂げるために、非常に困難な立場で決断しなければいけないです。
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