正社員の待遇廃止の可能性!扶養手当等の諸手当や福利厚生が衰退の理由と背景

   2022/08/26

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 正社員の権利として扶養手当などの手当や福利厚生制度が、廃止する可能性があります。

日本郵政グループ某グループ企業が正社員の夏期冬期の有給休暇を減らし、有給の病欠条件を限定するなど待遇引き下げを労働組合に提案したこと話題になりました。

さまざまな企業でも同様なことが起こっている。

この原因となったのが、正社員と非正社員の待遇の違いを解消するために「同一労働同一賃金法(パート・有期雇用労働法)」が2020年4月(中小企業は2021年4月)に施行された。

他の要因は、2020年10月、非正社員が正社員と同様の扶養手当や住宅手当などの諸手当を支給するか否かが争われた件について最高裁が判決した内容です。

 具体的には、東京、大阪、佐賀の日本郵便事件の判決に関して、最高裁は諸手当や休暇など5項目について契約社員の労働条件が正社員と異なるのは不合理と判決しました。

契約社員にも扶養手当、年末年始勤務手当(特殊勤務手当)、年始期間の祝日給を支給し、夏期冬期休暇(特別休暇)、有給の病気休暇も非正社員に与えることを命じた。

 諸手当に関しては、すでに2018年の最高裁の判決で正社員に支払われている時間外手当、通勤手当、皆勤手当を非正社員に支給することが確定している。

こうした最高裁の判決などによって、正社員に支払われている諸手当や休暇、福利厚生などの制度については非正社員にも支給し、制度の利用も認めなければならないことがほぼ確定した。

 最高裁の判決は企業にも大きな衝撃となり、正社員と同じ非正社員に諸手当を支給し、福利厚生も同じにすると人件費の増加が確実だからです。

正社員の処遇を一方的に切り下げることは許されないので、正社員と契約社員の両方が納得できる形で試行錯誤している経営者が多いです。

 日本郵政グループの件で、正社員の休暇を減らす提案も最高裁の判決に従っていると思われます。

同一労働同一賃金が施行される前から、経営者は低い基準に合わせようとすると思っていたが、実現していく方向性が確定しそうです。

正職員と契約社員が同じ労働をしているという感覚がそもそもおかしい。

ほぼ同じほどの労働をしているのであれば、正社員と非正社員にかかわらず同じ給料が合理的ということです。

諸手当廃止によって基本給の一本化になるなら、基本給を土台にして算出している退職金制度も変化する可能性があるという声もあります。

近い将来、正社員の退職金の廃止したいと考えているかもしれません。

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