ストロング系チューハイが税率低い理由と人気の秘密
「ストロング系チューハイ」が売れている理由やその弊害が話題になっています。
格安で早く酔える、飲みやすい・・・などの理由で、市場拡大している。
コンビニエンスストアやスーパーマーケットのお酒コーナーには、柑橘系などアルコール度数9%の商品が並びます。
ビールよりも酒税の税率が格段に低いのも爆売れに貢献しているのです。
ネット上では「危険ドラッグとして規制が必要」という意見も出ています。
飲みやすいうえにアルコール度数が高いからです。
そんなストロング系チューハイの税率がどうして低いのでしょうか。
国税庁酒税課によると、このうち、アルコール度数に応じて税率が高くなるのは、ウイスキーやブランデーなどの割って飲むことが多い「蒸留酒類」だけです。
4種類に分けたお酒の中でも品目ごとに税率が違います。
発泡性酒類「ビール」、「発泡酒」、「その他の発泡性酒類」に分類され税率が変わります。
ビールは350mlで77円、発泡酒は47円、ストロング系チューハイやチューハイは28円と税率の差があります。
ちなみに、同じ350mlでワインの税額は28円、日本酒は42円です。
チューハイが入る「その他の発泡性酒類」は「ビール、発泡酒以外の酒類のうち、アルコール分10度未満で発泡性を有するもの」です。
ストロング系チューハイにアルコール度数9%の商品が多いのはこのためとみられます。
ビールや発泡酒の販売は減少、メーカーはチューハイなどに注力するのは仕方がないのかもしれません。
税率を見ると、ビールの税率が突出して高い印象があります。
ストロング系チューハイの税率が低いというよりも、ビールの税率が高いということです。
高いビールの税率を回避するために、メーカーは原料や製法はビールと同じで、麦芽の比率を低くした発泡酒を作り、ヒット商品になりますが、国は1996年10月と2003年5月の2回、発泡酒に増税しています。
消費が冷え込む中、ビールの消費量は減っています。
一方で、メーカーが開発を進める中で、税率の低いチューハイやストロング系チューハイに行きついたのは自然な流れかもしれません。
酒の種類ではなく「アルコール度数に応じて酒税を設定」というシンプルな税制にすればすべて解決しそうな問題です。
軽自動車と自動車が存在するがゆえに混沌とする自動車税と似ています。
それゆえ一筋縄ではいかないのかもしれません。
税が安いから人気の「軽自動車」、税が安く手軽に酔える「ストロング系チューハイ」ということです。
どちらも税によって誕生した商品です。
消費者が悪いわけではないのをわかっておくべきでしょう。
税率のカラクリもあるし、ストロング系チューハイは不景気で同じ量でもより酔えるので流行った。
ひと昔前はチューハイと言えば「氷結」でほぼ一択だったのですが、ある時からコンビニの棚は8%や9%のストロング系チューハイが占拠する程のなりました。
ストロングチューハイが売れている背景として、働き方改革も影響しているそうです。
残業禁止により給料が下がり、飲みに行くお金がない。
ところが、中高年のお父さんが早い時間に帰宅しても居場所がない。
中高年のサラリーマンに救いの手をさしのべたのがストロング系チューハイということです。
最寄り駅から数駅離れた駅で下車して歩きながらストロング系チューハイを飲んだり、公園で飲んでから帰宅する人が増えていると聞きました。
とても切ない気分になるお話です。
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