高速バスの運転手不足が拡大、地域社会に影響
近年、高速バスの運転手不足が深刻化しており、路線の廃止や減便が相次いでいる。2022年には、長野県の「松本~東京線」、富山県の「富山~東京線」など、全国で10路線以上が廃止された。2023年も、すでに長野県の「長野~松本線」が廃止される予定となっている。
運転手不足の原因は、大きく分けて以下の3つが挙げられる。
【1】高齢化による退職
バス業界の運転手は、高齢化が進んでいる。国土交通省の調査によると、2022年3月末時点でのバス運転手の平均年齢は46.7歳で、10年前の36.5歳から10.2歳も上昇している。今後も、高齢化による退職が進むことが予想されており、運転手不足がさらに深刻化することが懸念されている。
【2】若年層の就職志望者の減少
バス運転手の仕事は、長時間労働や休日が少ないなどの理由から、若年層の就職志望者が減少している。国土交通省の調査によると、2022年3月末時点でのバス運転手志願者の割合は、前年比で10.2ポイントも減少した。
【3】待遇面の改善が遅れている
バス運転手の給与や労働環境は、他の業界と比べて劣っているとの指摘がある。国土交通省の調査によると、2022年3月末時点でのバス運転手の平均月収は25万円程度で、他の運輸業に比べて低い水準にとどまっている。また、長時間労働や休日が少ないなどの労働環境も、改善が求められている。
運転手不足による路線の廃止は、利用者にとって大きな不便をもたらす。特に、車を持たない高齢者や障がい者にとっては、重要な交通手段を失うことにつながる。また、路線の廃止は、地域経済にも悪影響を及ぼす可能性がある。
運転手不足の解消に向け、国や自治体、バス事業者などが連携して取り組む必要がある。具体的には、以下の対策が考えられる。
・高齢者運転手の再雇用や、定年延長の促進
・若年層の就職志望者を増やすための、就職支援や待遇改善
・バス運転手の免許取得を支援する制度の拡充
これらの対策を講じることで、運転手不足の解消と、高速バスの持続可能な運行が実現されることが期待される。
具体的な対策としては、以下のようなものが考えられる。
・高齢者運転手の再雇用や、定年延長の促進
高齢者運転手は、豊富な経験や知識を有しており、運転の安全性にも貢献している。そのため、高齢者運転手の再雇用や、定年延長の促進を図ることが重要である。
・若年層の就職志望者を増やすための、就職支援や待遇改善
若年層の就職志望者を増やすためには、バス運転手の仕事の魅力をアピールし、就職支援を行う必要がある。また、給与や労働環境などの待遇を改善することも重要である。
・バス運転手の免許取得を支援する制度の拡充
バス運転手の免許取得には、費用や時間がかかるため、免許取得を支援する制度を拡充することも有効である。例えば、免許取得の費用の補助や、免許取得のための講習を実施するなどの支援を行うことができる。
これらの対策を講じることで、運転手不足の解消と、高速バスの持続可能な運行が実現されることが期待される。

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