国の借金が過去最大!国民の借金ではない理由
財務省は、国債や借入金、政府短期証券の残高を合計した「国の借金」が2022年6月末時点で1255兆1932億円になったと発表しました。
3月末から13兆8857億円増加し、過去最大を更新して話題になりました。
7月1日時点の人口推計(1億2484万人)を考慮して計算すると、国民1人当たりの借金は約1005万円。
新型コロナウイルス対策や高齢化による社会保障費の拡大などが要因となって歳出が増大しました。
国債発行だけで対応するのは明らかに厳しい財政状況が継続しています。
「借金」が増加したのは、一時的な資金繰りのために発行する政府短期証券が110兆4988億円と24兆2999億円増えたからです。
一方、普通国債は7兆759億円減の984兆3353億円、財投債は1兆5606億円減の103兆635億円。
財投債や政府短期証券などを除いて算出する税金で返済する必要がある国の長期債務残高は、6月末時点で1010兆4246億円に上る。
地方も合わせた2022年度末の同残高は1247兆円程度になる見通しだそうです。
政府債務を「借金」にみなして、その借金を個人に割り振ると、どれほどの規模になるのかは、借金の規模を具体的に想定させる手法としては有効でしょう。
ただし、個人の借金は全額返済しなければならないのに対し、政府債務にはその必要がないのをしっかり認識しておくべきです。
というのも、政府は債務の一方に、国有地、橋、道路などの資産も保有しているからです。
また、外貨準備高には、政府は100兆円以上を保有しています。
その一方で、相対して短期国債があります。
要するに、政府は単純に1255兆円の借金だけを背負っているわけではありません。
個人に割り振って計算してしまうと借金額が膨大に見えていますが、全額を返済するわけではありません。
そのため、将来の財政を必要以上に悲観しなくていいわけです。
むしろ、財政赤字の拡大を恐れて必要な財政手当が控えるのを憂慮するほうが良いでしょう。
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