中国人留学生が帰国しても就職難の裏事情
中国では「海外大学の学位」というブランド価値が下がり、就職活動で不利に働いているのは本当でしょうか?
中国はいまや世界最大の「留学生多い国」となっています。
アメリカ国際教育研究所(IEE)によると、2020年の世界の留学生は約560万人。
その中で中国人は約160万人ほども存在しているそうです。
日本人の海外留学生の総数11万5100人(2018年度)なので、これと比べると約14倍も中国人留学生が世界中で学んでいることになります。
中国人の留学生は毎年増えている状況で、2009年は22万人でしたが2019年には70万人となった。
帰国者の割合は2019年には82.5%も激増しました。
以前の中国人留学生は留学先の国に定住して就職して生活する割合が高かった。
いまは、中国経済の急速な成長によって、生活レベルが欧米諸国や日本の水準になり、留学先から中国に帰国して国内で働くほうが高収入を稼げる見込みあるからです。
海外の経験をテクノロジーを学んで帰国した留学生は、2000年代には貴重な存在としてもてはやされました。
ところが、最近の留学生は、引き手数多でエリートとして需要があった頃と違って、国内で就職できないか低収入になっているそうです。
統計によると、帰国して就職した留学生の4割近くは年収が10万元(約180万円)以下です。
帰国後も求職活動をしている留学生の13%は「年収30万元以上」を希望しているが、実現しているのはわずか5%にすぎない。
留学生とはいえ、その多くは中国で一流大学に入学できない人が海外留学して箔をつけたがっている。
ただし、世界的なスタンフォード大学、オックスフォード大学、コロンビア大学などの名門校に留学していない限り、中国企業ではそれほど評価されなくなっているようです。
一方で、日本も留学に関しては同様な現象が起きました。
留学しただけでは、意味があまりない。
しっかりとした目的意識がないと勉強も経験もおろそかになります。
留学帰りは日本でも最終学歴さえ良ければいいという考え方はもう流行っていないのかもしれません。
今後は中国国内でも、明確な目的なしに大学院に行っても、意味があまりないという流れになるんでしょう。
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