中国アリババ参入「デジタル百貨店」凄い!日本百貨店の復活の秘密

   2020/07/24

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中国IT大手のアリババが2年前に買収した百貨店なので興味深いです。
中国の大手老舗百貨店である「銀泰商業集団(インタイム・リテール・グループ)」にアリババが出資を始めたのが2014年です。
2017年には約3000億円を出資して、インタイムはアリババグループの一翼を担う存在となりました。
日本で百貨店の売り上げが低迷しているように、中国でも既存百貨店は低迷の兆しが顕著となり、閉店が相次いでいます。
そんな既存百貨店がアリババと組んだ結果を検証します。

■ARミラーが興味深い
「FlyZoo Hotel」は、顔認証、キャッシュレス決済、ロボットが行き交う最先端のホテルです。
アリババが得意とする「AI×ビッグデータ」の威力を発揮しています。
アリババの技術が既存の百貨店に導入されると、どのような世界観が広がるのか気になります。
インタイムはアップデートというより、古来の百貨店を「AI×ビッグデータ」により最適化と発展させたのです。
その結果、買収後わずか1年でインタイムの売り上げは約30%も上昇したのは驚きます。
いまは『インタイム杭州武林店』が注目されています。
入店すると一見、馴染みのある百貨店の風景です。
しかし、最新テクノロジーを駆使した設備が目に留まります。
たとえば化粧品売り場には「ARミラー」という端末が備えられています。
お客は化粧品を試さなくても、ファンデーションやリップの色合いが唇になじむかを確認することができます。
化粧品の“試着”を楽しめるというわけです。

■インタイムの奇妙なロボット
決済はアリペイで行われるのは当然で、支払い時に長蛇の列に並ぶこともありません。
また中国全国のインタイムのうち18軒のデパートが、10キロ圏内のユーザーに2時間以内で配達できます。
消費者はこのアプリを使いどこでもインタイムのテナントの商品を購入できるばかりか、インタイムで買い物を楽しんでいても、このアプリで商品を購入すれば商品は自宅に届けられます。
顧客は重い荷物に悩まされることもなくなりました。
インタイムのこうした配送システムがすでに完備されており、そのスタッフはすでに全国1万人にのぼっています。
さてこのロジスティクスに絡み、奇妙な箱型ロボットにも遭遇しました。
これはインタイムのオンライン販売のロジスティクスを担う最新のロボットとのこと。
天猫やタオバオのオンラインモールと直結していて、この百貨店にある商品もオンラインで販売されています。
バックヤードにある商品はそのまま配送されますが、店舗に並んでいる商品もオンライン販売の対象になっています。
その商品をテナントからピックアップし、バックヤードまで運ぶのがこのロボットの任務なのです
つまりインタイムでは、在庫管理はバックヤードにオンライン用として仕分けされるのではなく、店頭で販売している商品までがその対象となっているのです。
しかも注文が入れば、その商品をロボットにピックアップさせて発送します。
すべての管理がデジタル化され、在庫管理もシステムによって最適化されています。
タグ付けされているので可能な工程です。
ロボットが正確に商品をピックアップしに来るので、店員はロボットにその商品を持たせるだけです。
いちいちオンラインの注文が入るたびに、バックヤードと店舗とを行き来する必要もありません。
インタイムでこのロボットに遭遇するだけで、デジタル百貨店の威力を感じることができるでしょう。
いわゆるデジタルシフトを追求した取り組みの理想形が、すでに中国では実現されつつあります。
この件について、現地を体感しながらの深い考察がされています。
アリババが集積したビッグデータによるマーケティングデータは、この百貨店のテナントにすべからく提供され、最適化されたセールスが可能となっています。
一方で、日本の百貨店では、消費者はテナントの顧客ではなく、百貨店の顧客という位置づけという体制に問題がありそうです。
日本の百貨店は、以前に比べると集客力が落ちている。買い物をする喜びや楽しさよりも、安くて手軽さが重視されているからです。
日本の百貨店に十分導入可能性があるアリババのニューリテールビジネスには注目したいです。
百貨店は消費者行動のありのまま、日本を縮図にした莫大なデータがとれる貴重な場所です。
アリババの様にまずデータを得られる様に変えていく事が重要になるでしょう。
そう考えると百貨店ビジネスは実は未来に対してとてもポテンシャルがあります。
ARミラーは今後様々な無人スペースにも適用されるのが楽しみです。

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