コロナで食料問題が危機!食料輸出規制と自給率の歪
■東南アジアのコメ輸出規制
食料輸出国では、干ばつとも重なって穀物輸出を制限する動きが広がっている。
東南アジアのコメ輸出国は、食料不足による社会混乱を恐れてコメの輸出規制に踏み切る国が出ている。
米農務省の最近の需給報告によれば、2019年後半から20年前半のコメ輸出量について、ベトナムが前月予想の700万㌧から630万㌧に下方修正したほか、ビルマも270万㌧から220万㌧へ、カンボジアも140万㌧から90万㌧へそれぞれ引き下げた。
こうした輸出規制に伴って、国際市場におけるコメの価格も急上昇している。指標となるタイ米の輸出価格(FOB=船積み価格)は、19年末のトン当たり400㌦から、20年4月には582㌦に急騰している。
アジア諸国にとって、コメは、穀物とは異なり特別の意味を持つ。
特に、貧困問題を抱えた国にとってコメは、飢えを無くすためにも不可欠な必需品です。
足りなくなれば社会不安につながりかねないという意味で「政治財」なのだ。
■ロシアも小麦輸出を規制
ロシアでも小麦の輸出規制が顕著になった。
ロシアは、主力製品の小麦を中心に20年4月から6月の輸出量を700万㌧に制限した。
2019年後半から2020年前半の小麦輸出量は3350万㌧で2年連続で減少すると想定されています。
ロシアの小麦生産量は天候に恵まれたこともあり、18年には8500万㌧超へと飛躍的に拡大。
米国の5000万トン前後を凌ぐ世界有数の小麦生産大国となった。
ロシア産小麦は世界最大の輸出量となっているが、天候任せで左右される面が強く、生産や輸出が安定しているわけではない。
ウクライナも、小麦の輸出規制を発表しました。
これに伴い、ユーラシア経済連合(EAEU)もカザフスタン、ベラルーシ、アルメニア、キルギスタンなど加盟国が生産する農産物を6月まで輸出を禁止すると発表した。
その反面で、穀物輸入を減らさなければならない国がでてくる。
多くは、中東や北アフリカ、サブサハラ以南のアフリカ諸国です。
ウクライナやカザフスタンの輸出も減少した。
中国は大豆やトウモロコシの輸入拡大を急ぐなど、食料危機の連鎖という事態が起こったのは問題です。
■バッタの大群
今のところ、小麦やトウモロコシに関して顕著な価格上昇は確認できないが、新型コロナウィルスの影響はまだ織り込まれていないのが気がかりです。
さらに不安材料なのは、バッタ被害の拡大による穀物の供給が危険なことです。
バッタの大量発発生の拡大はコメ、小麦への影響が懸念されます。
食料の場合は必需品として、主要国の輸出制限、物流分断、移民労働者不足、異常気象(病害虫の大量発生)による供給不安により、高騰する恐れを危惧されています。
このままだと、食料自給率わずか4割の日本は大きな脅威の渦に巻き込まれてしまいます。
この記事へのコメントはこちら