いきなりステーキ凋落の謎!閉店ラッシュの陰に潜む深層心理とは?
2013年にオープンした「いきなり!ステーキ」は、立ち食いステーキという新業態で人気を博し、2019年には全国に489店舗を展開するまでに急成長した。しかし、その後は業績が急速に悪化し、2023年10月現在では188店舗と、ピーク時の約25%まで減少している。
いきなりステーキの凋落には、大きく分けて以下の4つの要因が考えられる。
- ブームの一過性
いきなりステーキの人気は、立ち食いステーキという新しい業態や、お手頃な価格でステーキを楽しめるという点が受けたことで、一時期ブームを巻き起こした。しかし、ブームはいつかは終わるものであり、新規客の獲得が難しくなったことが、業績悪化の第一の要因となった。
- 競合の台頭
いきなりステーキの成功を受け、他の飲食チェーンも立ち食いステーキに参入するようになった。その結果、競争が激化し、価格競争に陥ったことも、業績悪化の要因となった。
- 肉質の低下
いきなりステーキの人気の要因の一つは、高品質な肉をリーズナブルな価格で提供するという点であった。しかし、店舗数を急速に拡大したことで、肉の品質が低下したという声が挙がるようになった。また、2021年には、肉のランク付けシステムの変更が行われた。それまでは、来店回数に応じてランクアップする仕組みであったが、変更後は、ランクダウンする仕組みとなった。これにより、リピーターが離れる要因となった。
- 従業員の疲弊
急速な店舗拡大に伴い、従業員の負担が増加した。また、ブームの一過性で新規客の獲得が難しくなったことで、従業員のモチベーションが低下した。その結果、接客やサービスが低下し、客離れにつながったと考えられる。
これらの要因が重なり、いきなりステーキは凋落の一途をたどることとなった。
いきなりステーキは、2022年7月に投資ファンドと事業提携し、再建を図っている。しかし、これまでの経営の失敗をどのように挽回していくのか、今後の動向が注目される。
いきなりステーキの凋落は、飲食業界における成功と失敗の教訓を示すものである。ブームに踊らされず、顧客のニーズを常に把握し、質の高いサービスを提供し続けることが、飲食店経営の成功につながると言えるだろう。
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