1日1万歩は時代遅れ!歩数より適切な運動効果やダイエット効果と健康寿命
「1日1万歩」は、多くの人が健康的な生活を送るために取り入れている運動量の目安です。
しかし、最近の研究では、この目標が効果的であるという証拠は限定的であることが示されています。
以下では、この主張の背景と、その根拠を説明します。
まず、1日1万歩という目標が設定された背景を見てみましょう。
この目標は、日本の「ウォーキングエクササイズ推進協議会」が1990年代に提唱したもので、健康を維持するために必要な運動量を定量化するために導入されました。
この目標は、歩行が簡単で安全であること、健康に良い影響があること、計測しやすいこと、実践しやすいことなどから、一般的に採用されています。
しかし、最近の研究によれば、1日1万歩という目標が効果的であるという根拠は限定的であることが示されています。
まず、1日1万歩を達成することが健康上の利益をもたらすことができるかどうかについての研究があまり行われていないことが挙げられます。
多くの研究は、歩行と健康の関係を調べるために行われていますが、その多くは1日1万歩を目指すことに焦点を当てたものではありません。
さらに、1日1万歩を達成することが健康によい影響を与えるかどうかについての研究でも、結論は一致していません。
一部の研究では、1日1万歩を歩くことが心臓病や糖尿病などの疾患のリスクを減らすことができると示唆されていますが、他の研究ではそのような効果は見られていません。
また、最近の研究では、1日1万歩を達成することが、健康的な体重や体脂肪率を維持するのに役立つことが示唆されています。
しかし、運動量と体重や体脂肪率の関係についての研究でも、1日1万歩が効果的であるという主張には疑問が持たれるようになっています。
例えば、2019年に発表されたメタアナリシスによれば、1日1万歩を歩くことが健康上のメリットにつながるという確かな証拠は得られなかったとされています。
この研究では、世界中の14の研究を対象に、1日の歩数と心血管疾患の発症リスクを調査しました。
その結果、1日1万歩を目指すことが、心血管疾患の発症リスクを有意に低下させる効果があるという結論には至りませんでした。
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