経済力ある高齢者の年金減額を見直す理由とメリットを徹底解説

一定給与をもらっている高齢者の厚生年金を減らす在職老齢年金制度について、厚生労働省は廃止・縮小を検討する方針が決まりそうです。

年金が減ることを理由に高齢者が働かなくなるのを防ぎ、引き続き保険料や税金を払う「支え手」になってもらう狙いがある。

厚労省は、夏の参院選後に社会保障審議会(厚労相の諮問機関)で具体的な議論を始め、来年の通常国会への関連法改正案の提出を目指す。

ただ、完全に減額をやめれば年金支給額は年1兆円以上も増えるため、財源の手当てなどが課題となる。

今後の年金制度改革の焦点の一つになりそうです。

在職老齢年金制度は、一定の給与がある人への年金支給を抑え、年金財政の負担を軽くする狙いがある。

給与と年金の合計額が、60~64歳は月28万円超、65歳以上は47万円超まで年金額は減らない。

超えた分の半額を年金から差し引くなどの仕組みです。

対象になっているのは60~64歳では受給者の19%にあたる約88万人で、年金の減額は年約7千億円。

65歳以上では同1%にあたる約36万人で、約4千億円。

企業年金など含めてある程度の収入ある人は、追加で稼いだ収入額の半分を年金の減額で徴収される。

さらに、税金と厚生年金保険料等も取られるので、働いてもほとんど手取りが増えないという残念な結末になるわかえです。

働いて年金を減額される状況だと、受給開始年齢を繰り下げれば毎月0.7か月分ずつ増える筈の将来の年金も、減額(年金支給停止額)された部分について増加の権利を失います。

この制度が、稼ぐ力のある高齢者の働く意欲を削いでいることは間違いないでしょう。

ただし、法律による雇用延長で強制された高齢者を雇っている企業の中には、年金の受取額を鑑みながら高齢社員の賃金を調整して、敢えて仕事を分け与えている企業もかなりありそうです。

年金の支給停止が終わって高齢労働者の所得が増えれば、一人当たりの仕事の分担を減らす動きになるかもしれません。

そういう仕打ちを受ける高齢者が、この改定でどれだけ生き生き働き出すものか。

この政策で高齢者を引っ張り出して労働力を増やす政策が日本の成長に大きな成果に繋がるとは断言しにくい。

今のところ年金の継続が難しい状況なのに「1兆円超の原資」をばら撒けば、年金制度の行く末は本当に不安になります。

今の高齢者とその予備軍、そしてそれを敵に回す可能性がある政治家諸賢にはある意味辛い話だけれど、

年金の支給開始年齢を引き上げて、一律の定年が必要になる日本の特殊な雇用の在り方を見直して、老若男女が実力に応じて長く働ける労働環境を作っていくのを真っ先に実行する必要があると思います。

在職老齢年金の廃止・縮小は、年金課税強化と合わせて実施すれば、金持ち批判も避けられるし財源も確保できます。

年金をもらうために、たくさん働くと年金が減額されるという不明瞭で分かりにくいのをなくすのが、在職老齢年金の廃止・縮小のメリットです。

ただし、このまま給付減額を廃止するだけだと、高所得者はさらに所得を増やし続けることになり、所得格差を助長します。

そこで、手厚い公的年金等控除を縮小することで、高所得者高齢者に限って所得税を増税して、所得格差を縮めることができます。

その結果、財源を確保できるということになります。

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